UMIN-CTRレポート
2024
UMIN-CTRレポート 2024
臨床試験が登録される目的
それは、透明性の
担保です!
なぜ、
わざわざ
登録するの?
UMIN Clinical Trials Registry(UMIN-CTR)は、臨床試験の登録システムです。
臨床試験を事前にシステムに登録・公開することで、公表された研究報告と登録された研究内容に相違がなければ、臨床試験が計画通りに行われていたことの証明になります。このように、臨床試験の事前登録は科学的根拠の透明性を担保する役割を担っています。
機能性表示食品の届出を目的とした臨床試験においても、届け出る科学的根拠は確かな根拠でなければ消費者に対して不利益をもたらします。そのため、機能性表示食品制度における科学的根拠として扱う臨床試験は、UMIN-CTRのような登録システムへ事前に登録されていることが望ましいとされています。
UMIN-CTRの登録・公開件数を
分析することで得られること
市場の動向や試験の
実施可能性を
検討する
情報を得ることが
できるのね!
我々はこれまでにUMIN-CTRの登録・公開件数についての調査を報告してまいりました。
その調査から、機能性表示食品制度の開始と共に食品を介入とする臨床試験の登録・公開数が右肩上がりに増加していることが確認されました。
つまり、UMIN-CTRに登録・公開された臨床試験を分析することで、市場の動向や試験の実施可能性など、臨床試験の計画を検討する上で参考となる様々な情報を得ることができます。
UMIN-CTRにおける
臨床試験の登録・公開件数と食品を介入とする臨床試験が占める割合
2005年1月1日から2024年12月31日の間に79,008試験が公開されていました。そのうち、52,006試験(65.8%)が介入試験です。
2024年の1月1日から12月31日の間では、4,556試験が公開され、そのうち2,653試験が介入試験でした。
- 介入に
種類があるの? - 介入の種類には、「医薬品」「ワクチン」「遺伝子」「食品」「医療器具・機器」「行動・習慣」「手技」「その他」があります。
2024年の1月1日から12月31日の間において登録・公開された臨床試験のうち、食品を介入とした試験(以下、食品臨床試験とする。)は、643試験でした。
つぎに、
食品臨床試験の実施件数の推移を確認します。
2005年からの食品臨床試験の実施件数の推移を
上図に示しました。
2005年からの食品臨床試験の実施件数の推移を上図に示しました。
2015年から急激に伸びていることがわかりますね。
2023年が最高値を示しており、2024年は2022年と同水準でした。
サプリメントなどのヘルスケア領域の食品は、臨床試験を実施することが
当たり前の時代に変化したように思われます。
- 人気のアウトカムって
何かしら -
食品臨床試験で
人気のアウトカムは?UMIN-CTRに登録・公開されたアウトカムをオルトメディコ独自の基準に従って、66種類に分類しました。
食品を介入した試験は643試験でしたが、アウトカムの分類は介入の種類で「食品」のみを選択している599試験で行いました。
分類した結果、安全性 (45試験)、血糖 (36試験)、
免疫機能 (33試験)、精神・心理 (36試験)、
体内動態 (42試験) でした。
よく採用されているアウトカム
ごとの研究デザインは?
食品だけを介入とした599試験の研究デザインを集計しました。
やはり、並行群間比較デザインとクロスオーバー比較デザインが主なデザインでした。目標症例数が100例を超える試験も増えてきていますが、まだまだ50例未満の小規模試験が半数を占めているようです。これは、詳細をより細かく見ないといけませんが、パイロット試験も盛んに実施されているということが私たち受託機関の印象です。
項目 | 選択肢 | 食品だけを介入とした試験 | 安全性 | 血糖 | 免疫機能 | 精神・心理 | 体内動態 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
基本デザイン | 並行群間比較 | 318 (53.3%) |
21 (46.7%) |
7 (19.4%) |
28 (84.8%) |
10 (27.8%) |
7 (16.7%) |
クロスオーバー試験 | 169 (28.3%) |
0 (0%) |
23 (63.9%) |
1 (3%) |
26 (72.2%) |
28 (66.7%) |
|
要因デザイン | 2 (0.3%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
|
単群 | 108 (18.1%) |
24 (53.3%) |
6 (16.7%) |
4 (12.1%) |
0 (0%) |
7 (16.7%) |
|
継続・拡大投与 | 0 (0%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
|
n-of-1 | 2 (0.3%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
|
ランダム化 | ランダム化 | 470 (78.5%) |
20 (44.4%) |
29 (80.6%) |
28 (84.8%) |
36 (100%) |
35 (83.3%) |
非ランダム化 | 129 (21.5%) |
25 (55.6%) |
7 (19.4%) |
5 (15.2%) |
0 (0%) |
7 (16.7%) |
|
ブラインド化 | オープン | 182 (30.4%) |
26 (57.8%) |
13 (36.1%) |
6 (18.2%) |
1 (2.8%) |
19 (45.2%) |
オープンだが測定者がブラインド化されている | 14 (2.3%) |
0 (0%) |
1 (2.8%) |
0 (0%) |
1 (2.8%) |
4 (9.5%) |
|
試験参加者がブラインド化されている単盲検 | 34 (5.7%) |
0 (0%) |
4 (11.1%) |
1 (3%) |
1 (2.8%) |
3 (7.1%) |
|
介入実施者・測定者がブラインド化されている単盲検 | 26 (4.3%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
1 (3%) |
8 (22.2%) |
4 (9.5%) |
|
二重盲検 | 343 (57.3%) |
19 (42.2%) |
18 (50%) |
25 (75.8%) |
25 (69.4%) |
12 (28.6%) |
|
コントロール | プラセボ・シャム対照 | 400 (66.8%) |
19 (42.2%) |
23 (63.9%) |
27 (81.8%) |
33 (91.7%) |
17 (40.5%) |
実薬・標準治療対照 | 29 (4.8%) |
0 (0%) |
3 (8.3%) |
1 (3%) |
1 (2.8%) |
13 (31%) |
|
用量対照 | 19 (3.2%) |
2 (4.4%) |
2 (5.6%) |
1 (3%) |
0 (0%) |
3 (7.1%) |
|
ヒストリカル | 3 (0.5%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
1 (3%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
|
無治療対照 | 43 (7.2%) |
0 (0%) |
2 (5.6%) |
0 (0%) |
2 (5.6%) |
2 (4.8%) |
|
無対照 | 84 (14%) |
23 (51.1%) |
3 (8.3%) |
3 (9.1%) |
0 (0%) |
5 (11.9%) |
|
群内 | 21 (3.5%) |
1 (2.2%) |
3 (8.3%) |
0 (0%) |
0 (0%) |
2 (4.8%) |
|
症例数 | 50例未満 | 348 (58.1%) |
43 (95.6%) |
32 (88.9%) |
16 (48.5%) |
16 (44.4%) |
36 (85.7%) |
50例以上100例未満 | 164 (27.4%) |
1 (2.2%) |
3 (8.3%) |
8 (24.2%) |
18 (50%) |
5 (11.9%) |
|
100例以上 | 87 (14.5%) |
1 (2.2%) |
1 (2.8%) |
9 (27.3%) |
2 (5.6%) |
1 (2.4%) |
各食品CROの実績
2024年に実施された643試験の食品臨床試験の実施責任組織をオルトメディコ独自の基準に従って分類し、72社を食品CROと定義しました。
食品臨床試験の公開件数2024年1月1日〜12月31日の公開件数(n=643)
2024年1月1日~12月31日の1年間において、オルトメディコは75試験をUMIN-CTRに公開しました。2024年の食品臨床試験は643試験なので、食品臨床試験全体のうち11.7%の試験にオルトメディコが関与していることがわかります。
オルトメディコを含む食品CROの実施件数は、270試験なので、食品CROが実施する食品臨床試験のうち27.8%の試験にオルトメディコが関与していることになります。
食品CROがUMIN-CTRに公開した食品臨床試験の推移を下図にまとめました。
2014年から徐々に需要が増しており、食品臨床試験において食品CROが欠かせない存在になっていることがわかります。
各食品CROの公開件数を見ていきましょう。
五十音順で表示しています。
組織名 | 2005年 〜 2024年 |
2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|---|
オルトメディコ | 446 | 76 | 74 | 75 |
EPメディエイト、 TTC |
282 | 17 | 20 | 15 |
ケイ・エス・オー | 199 | 21 | 23 | 29 |
CPCC | 193 | 23 | 25 | 38 |
TESホール ディングス |
147 | 17 | 26 | 14 |
北海道情報大学 | 113 | 10 | 3 | 6 |
ヒューマR&D | 101 | 11 | 9 | 10 |
アイメックRD | 93 | 20 | 16 | 12 |
日本臨床試験 協会 |
87 | 5 | 3 | 3 |
EPメディエイト | 66 | 13 | 20 | 15 |
総合医科学 研究所 |
64 | 5 | 1 | 0 |
ヘルスケア システムズ |
63 | 11 | 6 | 6 |
マクロミル | 44 | 8 | 16 | 17 |
ワンネス・ サポート |
38 | 6 | 2 | 2 |
アポプラス ステーション |
34 | 6 | 7 | 9 |
新潟バイオ リサーチパーク |
31 | 1 | 1 | 1 |
ユーザーライフ サイエンス |
27 | 7 | 3 | 5 |
クオールRD | 26 | 0 | 0 | 0 |
エビデンス マーケティング |
24 | 24 | 0 | 0 |
新薬リサーチ センター |
19 | 1 | 4 | 0 |
SOUKEN | 16 | 3 | 2 | 3 |
クリニカル・ クリエイティブ |
16 | 6 | 4 | 2 |
メタジェン | 16 | 3 | 7 | 4 |
レバレッジ ブレーン |
15 | 1 | 1 | 2 |
クロエ | 12 | 0 | 0 | 0 |
M&I Science | 11 | 4 | 3 | 3 |
クリニカル・ サポート・ コーポレーション |
11 | 2 | 1 | 0 |
DRC | 9 | 0 | 2 | 1 |
協和トライアル | 8 | 0 | 1 | 4 |
たしかにプラス | 8 | 0 | 1 | 0 |
CXウエルネス | 7 | 3 | 1 | 0 |
DeNA ライフサイエンス |
7 | 1 | 1 | 0 |
ちいき進かがく | 7 | 1 | 0 | 0 |
インクロム | 5 | 0 | 0 | 0 |
ビューティアンド ヘルスリサーチ |
5 | 0 | 1 | 1 |
ユニバーサル 臨床システム |
5 | 0 | 0 | 0 |
3Hメディ ソリューション |
4 | 1 | 0 | 0 |
NeU | 4 | 1 | 0 | 2 |
サザンナイト ラボラトリー |
4 | 2 | 0 | 0 |
未病 ライフサイエンス |
4 | 2 | 0 | 0 |
免疫分析 研究センター |
4 | 1 | 0 | 0 |
ユーフォリア | 4 | 3 | 0 | 1 |
環瀬戸内自然 免疫ネットワーク |
3 | 0 | 0 | 0 |
ケイ・ティ・ メディカル |
3 | 0 | 0 | 0 |
メディカル フュージョン |
3 | 0 | 0 | 0 |
EAS | 2 | 0 | 1 | 1 |
JORTC | 2 | 0 | 0 | 0 |
RCTジャパン | 2 | 0 | 0 | 0 |
アルム | 2 | 0 | 0 | 2 |
アレグロ | 2 | 0 | 0 | 0 |
サイキンソー | 2 | 0 | 0 | 0 |
シナプス プランニング |
2 | 0 | 1 | 1 |
自然免疫 ネットワーク |
2 | 0 | 1 | 0 |
ドライアイKT | 2 | 0 | 0 | 0 |
ニコダーム リサーチ |
2 | 1 | 0 | 0 |
日本臨床研究 支援ユニット |
2 | 0 | 0 | 0 |
バイオエネット | 2 | 0 | 0 | 0 |
ユニチカ ガーメンテック |
2 | 0 | 0 | 0 |
IBERICA | 1 | 0 | 0 | 0 |
Welby | 1 | 0 | 0 | 0 |
青葉 プロモーション |
1 | 0 | 0 | 0 |
ウンログ | 1 | 0 | 0 | 0 |
ザ・ファージ | 1 | 0 | 0 | 1 |
セブンオーワン リサーチ |
1 | 0 | 0 | 0 |
デーミス・ リサーチ・ センター |
1 | 0 | 0 | 0 |
電通 サイエンスジャム |
1 | 0 | 0 | 0 |
ヒュービット ジェノミクス |
1 | 0 | 1 | 0 |
丸石ラボ | 1 | 0 | 0 | 0 |
メディカル フロント |
1 | 0 | 1 | 0 |
メディファーマ | 1 | 0 | 0 | 0 |
データセットの作り方
私たちの情報にアクセスしたみなさまが私たちの分析を再現できるようにデータセットの作成方法をまとめました。クリーニング方法の詳細は別途お問合せください。
項目 | 概要 |
---|---|
データソース | UMIN Clinical Trials Registry (UMIN-CTR) |
データ取得日 | 2025年1月16日 |
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