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コラム

機能性表示食品 ~新規の有効性 (機能性) の届出に向けて~

近年、医療費の増大に伴い、セルフメディケーションの実践が推奨され、この実践の1つとして、健康維持のため適切なサプリメントや健康食品を利用することがあげられます。この健康食品を用いたセルフメディケーションを実践するために、一般消費者が判断する指標として、「特定保健用食品制度」や「保健機能食品制度」、「機能性表示食品制度」が導入されてきました。本コラムでは、機能性表示食品の変遷と新規の食品の有効性 (機能性) の届出を見出す方法を紹介します。

目次

1.機能性表示食品の変遷

前述したように、近年、本邦では、以下のグラフに示したように、年々医療費は増大し、2021年では44.2兆円となっています1

参考: 医療費の動向調査 | 厚生労働省1

この医療費の増大の抑制を期待し、「セルフメディケーション」の実践が推奨されるようになりました。この「セルフメディケーション」とは、健康管理を自身の責任で実施し、軽度な不調は自身で手当てすることです2。例として、一般用医薬品 (OTC医薬品) を用いて、医療機関への受診を回避することやサプリメントや健康食品を用いて、健康維持を心がけること、食生活や生活習慣に注意することなどがあげられます。ここでは、3つの例のうちサプリメントや健康食品を用いた健康維持に着目していきます。

自身にあった適切なサプリメントや健康食品を選択する指標を示す制度として、「特定保健用食品制度 (1991年)」や「保健機能食品制度 (2001年)」、「機能性表示食品制度 (2015年)」が導入されてきました。機能性表示制度導入の2年後の2017年には、特定保健用食品の認可数を機能性表示の届出数を上回り、現在も、機能性表示の届出数は増加傾向にあります。次のセクションでは、この機能性表示食品の届出方法の種類について、解説していきます。

参考: 特定保健用食品の市場および表示許可の状況 | 公益財団法人 日本健康・栄養食品協会3
参考: 機能性表示食品の届出情報検索 | 消費者庁4

2.機能性表示の届出方法の種類

この機能性表示食品の届出方法には、2種類あります。1つは、システマティックレビューを用いた届出、もう一つは、製品での臨床試験の結果を用いた届出となります。この2つの届出の割合ですが、前者の方法が95% (5,748件) を占めています。これは、システマティックレビューでの届出の方が、低コストで対応できることが大きな要因の1つとして考えられます。本セクションでは、この2つの届出について、届出にフォーカスしたメリットを解説していきます。

出典: 届出レポート(機能性表示食品) | プラスエイド5

2.1.システマティックレビューでの届出

システマティックレビューとは、研究テーマに対する最良のエビデンスを取得するために、網羅的に文献収集や研究結果の評価を行う方法を言います。この方法は、臨床試験を実施することなく届出できることから、後述する臨床試験の結果を用いた届出と比較すると、コストは抑えられます。また、研究結果や文献から定性的、定量的に評価することから、同様の機能性関与成分を製造している企業が同様の届出が可能となるため、有効性 (機能性) の点では、製品に独自性のある付加価値を付与しづらいことが考えられます。

2.2.製品での臨床試験の結果を用いた届出

製品で臨床試験の結果を用いた届出では、言葉の通り販売する商品を用いて、臨床試験を実施し、その結果を用いて届出する方法です。この方法は、ヒトを対象にした先行研究がほとんどない新規の関与成分や有効性 (機能性) での挑戦的な届出も可能であるため、製品に高い独自性のある付加価値を付与することができると考えられます。次のセクションでは、新規の有効性 (機能性) を見出す方法を紹介していきます。

3.新規の有効性 (機能性) を見出すために

新規の有効性 (機能性) の取得により、製品の高い独自性につなげるためには、その製品にどのような新規の有効性 (機能性) を有している可能性があるのか推測することが必要です。推測する方法として、細胞試験や動物試験などがあげられます。しかしながら、動物実験においては、2013年にEUにおいて、化粧品の動物試験が完全禁止されました。日本においても資生堂や花王、コーセーといった大手化粧品メーカーをはじめとして、多くの化粧品メーカーが動物試験を廃止しました。世界的に動物試験をできる限り削減していこうという動きから、動物試験の代替法の開発が進められています。

そこで、その代替法の1つとしてオミクス解析という方法があります。この方法は、トランスクリプトーム解析、プロテオーム解析、メタボローム解析などのオミクス解析により、作用機序の探索や食品素材の新しい有効性 (機能性) の発見をできる可能性があります。

4.オルトメディコのニュートリゲノミクスサービスとヒト臨床試験事業

オルトメディコでは、前述したオミクス解析を早稲田大学 人間科学学術院 原 太一教授と連携し、ニュートリゲノミクスサービスとして、提供しております。実際に、トランスクリプトーム解析を用いて、発酵ニンニクにおける新規の有効性 (機能性) を見出しております。こちらのサービスの詳細につきましては、以下のサイトをご覧ください。

https://www.nutri-genomics.jp/

ニュートリゲノミクスサービスで、新規の有効性 (機能性) を発見された際には、是非、弊社のヒト臨床試験をご利用ください。様々な食品のヒト臨床試験に対応しており、現在、UMIN-CTR (臨床試験登録サイト) の試験登録数No.1を誇っております。また、ヒト臨床試験以外にも、モニターリクルートや機能性表示届出代行など商品開発における様々なサービスを提供しております。ご興味がございましたら、お気軽にお問い合せください。

https://www.orthomedico.jp/contact.html

5.脚注

ヒト臨床試験 (ヒト試験)
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