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2022.02.08
弊社の自社研究にて「管理栄養士課程の大学生における食後高血糖値境界型の実態調査とヘルスリテラシーの関係」を行い、その研究結果を2021年10月2日~3日に開催された第43回日本臨床栄養学会総会・第42回日本臨床栄養協会総会/第19回大連合大会にて発表いたしました。
2010年から2019年までの国民健康・栄養調査の結果によると、糖尿病予備軍である「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合は国民の約3割を占めており、20代女性であっても2%程度が糖尿病予備軍であることが検出されています。
続いて、空腹時血糖高値(IFG)が心血管疾患の危険因子であるかどうかを検証した大規模臨床研究の結果の一部をご紹介いたします。この結果によると、まず食後高血糖(IGT)と糖尿病の心血管疾患による累積生存率は、それぞれ0.962と0.954で、いずれも空腹時血糖正常(NGT)の0.988よりも有意に低い結果でした。これは IGTが心血管疾患の危険因子であるということを示しています。食後高血糖は、放置しておくと血管障害が進み、糖尿病や脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす恐れがあるため、生活習慣をはじめ、改善の意識を持ちながら過ごすということが重要となってきます。
20代女性の中で糖尿病予備軍の方が存在していること、食後高血糖は糖尿病をはじめ、心血管疾患の危険因子となりうることがわかりました。そこでさらに、厚生労働省の研究より、20~39歳女性の健康意識に関する調査結果を見てみると、715名の回答のうち「健康のために何も行っていない」と答えた人が50%を超える結果となりました。これは、健康への意識が高いとは言えません。これまでの結果を踏まえ、自身の生活を見直す機会を設けることは「国民の健康の増進の推進」に寄与する活動であると言えます。そこで本研究では、管理栄養士を志す学生を対象にヘルスリテラシーと健康状態の関係について検証しました。
本研究は、20歳以上の女子大学生122名にトレーランG液75gを負荷させ、負荷前と負荷120分後の血糖値の測定を行いました。負荷120分後採血までの待機時間に運動習慣・糖尿病家族歴・ヘルスリテラシーに関するアンケート調査行いました。さらに検査当日から8日目まで、弊社が開発した食事記録用紙CANDを使用した食事調査を行い、検査当日は、前日夕食後から試験実施まで水以外の飲食を禁止させた状態で行いました。
本研究における血糖値の調査結果を図に示します。この結果より、管理栄養士課程の女子大学生の11.5%が糖尿病予備軍であることが示唆されました。
HbA1cで判定している国民健康・栄養調査とは、比率の剥離が観察されましたが、若年女性の中に一定の糖尿病予備軍が存在することは明らかでした。
そこで健常群と糖尿病予備軍の背景因子を比較し、糖尿病予備軍の原因となる因子の探索を行った結果空腹時血糖値が糖尿病予備軍で大きいことがわかりました。一方で、身体測定や運動状況、食生活に差はみられませんでした。
また、管理栄養士過程の女子大生のヘルスリテラシーを調査した結果を示します。各回答に数パーセントの差はあるものの、特徴的な差は検出されませんでした。
この結果より、管理栄養士過程の女子大学生の11.5%が糖尿病予備軍であり、若年層における解決すべき問題であることが改めて検出されました。一方で、糖尿病予備軍となる因子を身体的特徴や生活状況、ヘルスリテラシーから見出すことはできませんでした。しかし、若年層の糖尿病予備軍の症例データの蓄積や経時的な追跡調査を行うことで、糖尿病予備軍となる要因をより詳細に検証することが期待されると考えます。
今回食事記録にも使用しました、食事調査票「栄養価日記 (Calorie and Nutrition Diary; CAND) 」を用いた栄養素等摂取量の算出も承っておりますので 、是非ご活用ください (http://cand.life/)。
引き続き皆様に満足いただけるような情報を提供させて頂きますので 今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
概要はこちらをご覧ください。
https://www.orthomedico.jp/wp/wp-content/uploads/220208.pdf
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