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2024.10.15
今回は薬物療法以外の治療法である運動療法や食事療法をメインに、
糖尿病発症予防のためにできることについても簡単に触れていこうと思います。
運動療法の重要な目的として、
食後の運動によって即効的に食後高血糖を抑える効果や、
運動の継続によってインスリン感受性を上げることがあります。
運動療法には、短期的な効果と長期的な効果の両方があります。
一般的に、中等度の強度 (ややきついと感じるくらい) の有酸素運動が
勧められています。
筋肉量を増加し、筋力を増強する筋力トレーニングも、
同様に効果があると言われています。
有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせるとより効果的です。
有酸素運動の例: ウォーキング、ジョギング、水泳、エアロビクス など 筋力トレーニングの例: 腹筋、腕立て伏せ、スクワット など |
運動する時間がない方は、日常生活の工夫で身体活動量を少しだけ増やしてみましょう。
例えば、、、 ・エレベーターではなく階段を使う ・通勤時に歩くことを意識する など |
患者さんの中には運動療法を禁止あるいは制限したほうがよい方もいるため、
運動をはじめる前には主治医との相談が必要です。
食事療法の基本は食事を規則的にとり、
炭水化物、蛋白質、脂質の望ましいバランスをキープしたまま
エネルギー摂取量を適正化することであり、
炭水化物や脂質の割合を極端に下げるようなダイエットは望ましくありません。
・ゆっくり、よく噛んで食べる。 |
※1 目標体重の目安
基本的な目標体重の算定式は、以下となります。
65歳未満: [身長 (m)]2 × 22
前期高齢者 (65歳~74歳): [身長 (m)]2 × 22~25
後期高齢者 (75歳~): [身長 (m)]2 × 22~25
ただし、75歳以上の後期高齢者に関しては、現体重に基づき、
筋力や日常生活動作の低下、食事摂取状況などを踏まえて適宜判断します。
※2 目標体重1 kgあたりのエネルギー係数
軽い労作 (大部分が座位の静的活動): 25~30 (kcal/kg 目標体重)
普通の労作 (座位中心だが通勤・家事、軽い運動を含む): 30~35 (kcal/kg 目標体重)
重い労作 (力仕事、活発な運動習慣がある): 35~ (kcal/kg 目標体重)
患者さんごとに状況が異なり、計算式に当てはまらい方もいるため、主治医との相談が必要です。
糖尿病発症予防のために日常生活でできることの一例をご紹介いたします。
・エネルギーを摂取しすぎない。
・アルコールをとりすぎない。
・野菜や大豆製品、海藻、きのこなどを多くとる。
特に、砂糖の入った飲み物をとりすぎる習慣のある人は、
糖尿病の発症リスクが高まります。
肥満も糖尿病の発症リスクを高めますが、
日本人ではやせていても糖尿病になりやすい人がいるため、
肥満や過体重のない人でも注意が必要です。
・日常生活における歩数を増やす。
目標値: 男性9,200歩/日、女性8,300歩/日
・たばこを吸わない。
喫煙は交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、
体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。
そのため、糖尿病の発症リスクが高まります。
1. 岡庭豊, 病気がみえる vol.3 糖尿病・代謝・内分泌 第5版, 株式会社メディックメディア, 2019
2. 日本調剤株式会社, プラスαの服薬指導に活かす!食事と栄養 疾患別132の疑問に答えます, 2023
3. 糖尿病 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
4. essence2022.pdf (med.or.jp)
5. 糖尿病の食事のはなし(基本編) | 糖尿病情報センター (ncgm.go.jp)
6. 糖尿病|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
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