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2024.10.18
欧州食品安全機関 (EFSA) では、
新しいアプローチや方法論 (New Approach Methodologies; NAMs)
を用いて食品安全リスク評価の質を向上させ、
動物実験の代替法を模索していることをご存知でしょうか?
NAMsの一つにオミクスデータの活用があり、
ゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、
メタボロミクスといったデータによって、
食品安全リスク評価ができないか、
検討が進められています。
EFSAのNAMsにおける
オミクスデータの利用可能性をまとめました。
EFSAがNAMsの模索を続ける背景には、
動物を用いた実験手法の限界があります。
限界として挙げられるものは、再現性の問題、動物種の違い、
資源的・時間的な毒性学的データ生成の持続可能性の低さ、
倫理的な懸念です。
すでにドイツ連邦リスク評価研究所 (BfR) では、
「The use of NAMs and omics data in risk assessment」
と題した作業が進められております。
この作業の目的は、以下の3点です。
1.リスク評価におけるNAMsの可能性に関する最新情報を提供すること
2.規制当局による規制導入が遅々として進まない理由を明らかにすること
3.リスク評価へのNAMsの統合を促進するための試験戦略、
標準化、ハーモナイゼーション、バリデーション手順、
知識の共有と信頼性の構築、必要な規制の変更という観点からの
今後可能な方法を提案すること
この作業のために2021年11月15~17日に開催されたワークショップ
「Challenges in Public Health Protection in the 21st Century:
New Methods, Omics and Novel Concepts in Toxicology」では、
1.「Recent advances in the application of NAM」
(和訳: NAMの応用における最近の進歩; 6件の発表)
2.「Use of omics techniques in experimental toxicology」
(和訳: 実験毒性学におけるオミクス技術の利用; 7件の発表)
3.「Use of omics techniques in regulatory toxicology」
(和訳: 規制毒性学におけるオミクス技術の利用; 5件の発表)
4.「Current applications – a regulatory authority perspective」
(和訳: 現在の応用-規制当局の視点; 6件の発表、
1件のパネルディスカッション、3件のポジショントーク)
の4つのセッションが行われました。
このイベントの全プログラムは、
以下のURLでライブストリーミング動画が公開されています。
ご興味ございましたら、ぜひご覧ください。
https://www.bfr-akademie.de/english/archive/2021/omics.html
まだ具体的な手法が提示されている訳ではありませんが、
近い将来には、動物実験ではなく、
オミクスデータを利用して食品の安全リスク評価が行われるのかもしれません。
事実、さまざまな動物実験の代替試験法がすでに開発されています。
将来の備えとして、オミクス技術を用いた研究も検討されてみてはいかがでしょうか?
1. | Miccoli, A., Marx‐Stoelting, P., & Braeuning, A. (2022). The use of NAMs and omics data in risk assessment. EFSA Journal, 20, e200908. DOI: https://doi.org/10.2903/j.efsa.2022.e200908 |
2. | 日本動物実験代替法評価センター (Japanese Center for the Validation of Alternative Methods; JaCVAM). JaCVAM が評価した試験法.
https://www.jacvam.jp/test-methods.html [cited 2024 Aug.18] |
弊社ではオミクス技術を用いた評価法の
ご提案も可能です!
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