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2024.12.05
腸といえば食べ物の消化・吸収を行う器官
というイメージがありますが、
実は、腸にはヒトの免疫細胞の7割が
存在しています。
腸では何が起きているのでしょうか??
まずは小腸と大腸の機能についてご紹介します。
小腸は胃に続く直径3~4 cmの管状の器官です。
長さは6 m程度ですが、生体内では2~3 m程度にまで縮められています。
主な役割は胃から送られてきた食物をさらに消化し、
栄養分を吸収することです。
また、食物を大腸に送る役割もあります。
大腸は小腸に続く太さ5~6 cmの管状の器官で、長さは1.5m程です。
主な役割は小腸で吸収されずに残った残渣 (ざんさ) から
水分を吸収することです。
このおかげで便が固形状になり、体外に排出しやすくなります。
腸は食べ物の消化・吸収を行っていますが、
食べ物と一緒に侵入したウイルスや病原菌にも曝露されています。
そこで、こうした異物を排除するべく、
腸の内側にはたくさんの免疫細胞や抗体が集まっています。
全身の免疫機能のうち、5割が小腸、2割が大腸に存在していることから、
腸は最大の免疫器官とも呼ばれています。
腸で多くの免疫機能を担っているのが、パイエル板という組織で、
小腸の腸壁や粘膜の下に分布しています。
パイエル板は、最も外側に「M細胞 (microfold cell)」という
特殊な細胞を持ち、これが腸管での免疫応答の起点となります。
腸管での免疫応答の流れは以下の通りです (下図)。
① | M細胞が病原体を捕獲し、細胞の中に取り込む。 |
② | M細胞の直下に存在する樹状細胞が M細胞から病原体を受け取って分解・断片化し、 Tリンパ球へ抗原断片を提示する。 |
③ | Tリンパ球がBリンパ球に抗体産生の指令を送ることで B細胞が抗体産生細胞へと分化し、抗体を産生する。 |
④ | 抗体の一部は体内へ、残りは腸管粘膜へ分泌されて、 病原体の体内侵入 (感染) 防止や毒素の中和を行う。 |
改めて、腸に免疫細胞が集まっている理由をまとめると、
「食べ物と一緒に侵入したウイルスや病原体を排除するため」です。
腸は吸収だけではなく、感染防御のために前線で戦っている、ということを
覚えていただけたら幸いです!
1) | 牛木辰夫. 入門組織学 改訂第2版. 2013. |
2) | Tezuka H, Ohteki T. Regulation of IgA production by intestinal dendritic cells and related cells. Front Immunol. 2019; 10: 1891. |
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は腸内にいる細菌と免疫の関係について
配信を行う予定ですので、お楽しみに!
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