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2024.12.20
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前回は、脂質異常症とはどのような状態かについてお届けしました。
今回は、脂質異常症治療薬の作用や副作用についてご紹介します。
脂質異常症の治療薬は下記の表に示す薬や配合剤などがあります。
ここではそれぞれの作用の特徴と副作用の例についてご紹介いたします。
●主にLDLコレステロールを低下させる
分類 | 作用の特徴 | 副作用の例 |
HMG-CoA還元酵素阻害薬 (スタチン) |
・HMG-CoA還元酵素を阻害し、コレステロール合成を抑制 ・LDL受容体の合成促進 |
横紋筋融解症、肝機能障害、消化器症状、末梢神経障害、血小板減少、間質性肺炎、CK上昇や筋脱力などのミオパチー様症状 など |
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬 | ・小腸コレステロールトランスポーター(NPC1L1)を阻害し、食物および胆汁由来のコレステロール吸収を抑制 ・LDL受容体の合成促進 |
横紋筋融解症、肝機能障害、消化器症状、CK上昇や筋脱力などのミオパチー様症状 など |
陰イオン交換樹脂 (レジン) |
・腸管内で胆汁酸を吸着して、コレステロールの吸収を阻害、便中へ排泄促進 ・LDL受容体の合成促進 |
腸閉塞、腸管穿孔、便秘や腹部膨満感など消化器症状、 脂溶性ビタミンの吸収障害 など |
プロブコール | ・胆汁中へのコレステロール異化排泄を促進 ・LDL-Cの抗酸化作用 |
心室性不整脈、消化器症状、肝機能障害、発疹、末梢神経炎 など |
PCSK9阻害薬 | ・肝臓LDL受容体の分解に関わるPCSK9がLDL受容体に結合することを阻害し、LDL受容体の分解を抑制 ・肝臓でのLDL取り込み促進 |
注射部位反応、鼻咽頭炎、胃腸炎 など |
MTP阻害薬 (ホモ接合体家族性高コレステロール血症患者が適応) |
MTP阻害により ・肝臓でのVLDL合成を抑制 ・小腸でのカイロミクロン合成を抑制 |
肝炎、肝機能障害、胃腸障害 など |
●主にトリグリセライドを低下させる
分類 | 作用の特徴 | 副作用の例 |
フィブラート系薬 | PPARαを活性化し ・脂肪酸のβ酸化を亢進し、TGの合成を抑制 ・LPLやHLの活性化促進 ・アポA-ⅠやABCA1の合成促進によりHDL増加 |
横紋筋融解症、肝機能障害、消化器症状、胆石 など |
選択的PPARαモジュレーター | フィブラート系薬でPPARαへの選択性が特に高く、脂質代謝関連遺伝子の発現を特異的に調節する薬は選択的PPARαモジュレーターともよばれる。 | 横紋筋融解症、肝機能障害、胆石症 など |
ニコチン酸誘導体 | ・脂肪組織の脂肪分解を抑制 ・LPL活性化を促進 ・アポ蛋白A-Ⅰの異化を抑制し、HDL-C上昇作用 ・Lp(a)を低下 |
掻痒感、顔面紅潮、熱感、頭痛、消化器症状、肝機能障害、高尿酸血症 など |
n-3系多価不飽和脂肪酸 | 〈EPA製剤〉 ・SREBP-1cを抑制し、肝臓でのTGの産生を抑制 |
消化器症状、出血傾向、発疹、肝機能障害 など |
〈EPA・DHA製剤〉 ・肝臓でのTGの産生を抑制 ・LPL活性化を促進 |
脂質異常症治療薬は、主にLDLコレステロールを低下させる薬とトリグリセライドを低下させる薬に分けられるということですね。
なかには、両方の作用をもつ薬があったり、
強さや機序が異なるなどそれぞれの薬に特徴があるので、気になる方は是非調べてみてください。
1) | 日本動脈硬化学会, 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版, 2022:112-134 |
2) | 岡庭豊, 病気がみえる vol.3 糖尿病・代謝・内分泌 第5版, 株式会社メディックメディア, 2019:104-121 |
3) | 興和株式会社, パルモディア錠0.1mg添付文書 パルモディア錠0.1mg (japic.or.jp), (2024.9 検索) |
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次回のヘルスケア情報では、生活習慣に関する病気から離れて、寒い時期に流行することの多い「インフルエンザ」に関連した情報をお届けする予定です。
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