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2024.12.25
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遺伝子発現解析技術の進歩に伴い、食品成分が遺伝子発現に与える影響を調べられる時代が到来しました。食品機能性研究の方向性が大きな転換期を迎えています。
今回は、遺伝子発現解析技術を用いて食品の機能性を研究する、「ニュートリゲノミクス」において、新規機能を調べる際の試験系や用いる細胞ついてご紹介します。
「ニュートリゲノミクス (Nutrigenomics)」とは「栄養 (Nutrition)」と「ゲノム科学 (Genomics)」を組み合わせた造語で、食品成分の摂取により、体内で起こるmRNAやタンパク質、代謝産物の変動を、オミクス解析を用いて網羅的に解析する研究です。
従来の食品機能評価は、特定の機能に対して個別に解析を行う方法が主流ですが、食品がその特定の機能性を持つ保証がないというリスクを伴います。一方で、ニュートリゲノミクスは、細胞や組織に与える影響を分子レベルで広範囲に解析し、分子の動きから食品の機能を見つけ出すことができます。ニュートリゲノミクスで食品機能のスクリーニングを行うことで、上記のようなリスクの軽減につながるだけでなく、機能性研究の期間短縮や思わぬ機能性の発見も期待されます。
図. ニュートリゲノミクスの解析手法
細胞内の全mRNAを網羅的に解析するトランスクリプトーム解析は、ニュートリゲノミクス研究で広く使用されています。そのため、食品素材の新しい機能を探索するにあたって、初期段階でトランスクリプトーム解析を活用することがスクリーニング戦略の一つとして考えられます。
この解析の結果はRNAを抽出する細胞の種類によって異なるため、事前に機能性を絞り込める場合には、探索する機能性に合わせた細胞選定が重要になります。
例えば、肌に関連する機能性を探索する際は、表皮角化細胞や皮膚線維芽細胞を用いて解析します。
それでは、どのような機能があるかわからないという場合はどうしたらよいのでしょうか、、、
そういった方におすすめしたいのが「腸管細胞」です。
特定の分野に焦点を当てずに機能性を広く探る場合には、腸管細胞の有用性が注目されています。
腸管細胞は、食品素材がそのまま到達する可能性が一番高く、食品の機能性成分が体内に吸収される過程で様々な制御や調節作用が働くことが知られています。
近年では食品や栄養学の研究分野で腸管細胞や腸を対象にしたin vitro/in vivo研究が増加しており、機能性評価のためのヒト腸管モデルの開発も進んでいます。
実際、腸管細胞を用いた機能性探索の試験では、腸に直接関連する免疫やお腹の調子はもちろん、コレステロール、体脂肪、血糖などの機能性についても推測することが可能です。また、生理機能に関連する生物学的機能がネットワーク/パスウェイ解析で検出されたり、生理機能に関わる遺伝子が高い変動率を示し、統計学的に有意な関連性が確認されたりする可能性があります。
このような解析結果が得られた場合、生理機能に影響を与える食品素材であることが期待できます。
腸管細胞を用いて、食品素材の機能性を探索してみませんか?
また、腸管細胞を用いたスクリーニングによって機能性が明らかになった場合には、その機能性に応じた多種多様な細胞での解析にも対応可能でございます。
ご不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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