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2025.01.29
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感染症を引き起こす主な病原体として、ウイルスや細菌が挙げられます。
どちらも病気を引き起こすイメージがありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
今回はウイルスについて、細菌との違いに触れつつ簡単にご紹介します。
ウイルスは非常に小さな病原体で、そのサイズは約20~300 nm (0.00002~0.0003 mm)で、細菌の大きさ約1~5 μm (0.001~0.005 mm) と比べるとかなり小さいサイズです。電子顕微鏡でないと、その姿を確認することはできません。
図1. ウイルス・細菌・ヒト細胞のサイズ
ウイルスは細胞構造を有しておらず、核酸 (ウイルス核酸) とタンパク質の殻 (カプシド) からできており、DNAとRNAのどちらか一方を持ちます。ウイルスによってはカプシドの外側を脂質二重膜 (エンベロープ) に包まれたものや、エンベロープ上に糖タンパク質のスパイクを持つものもあります。スパイクは宿主となる細胞への吸着・侵入や、免疫機構から逃れるために使われます。
感染力を持つウイルスの粒子の完全体をビリオンと呼び、エンベロープを持たないウイルスでは核酸とカプシドを合わせた単位 (ヌクレオカプシド) がビリオンに相当します。また、エンベロープを持つウイルスではヌクレオカプシドに加えてエンベロープとスパイクもビリオンの構成因子となります。
細菌は単細胞生物 (原核生物) であり、DNAとRNAの両方を持ちます。ほとんどの細菌に共通する基本構造には、リボソーム、核様体 (核)、細胞壁、細胞膜および細胞質があります。細菌によっては莢膜、芽胞、線毛、鞭毛など特殊な付属器官をもつものもあります。
図2. ウイルス・細菌の構造の概略図
ウイルスは、ミトコンドリアやリボソームなどの細胞内小器官は持たず、DNAかRNAのどちらか一方しか持たないため、自身でエネルギー産生を行ったり、タンパク質を合成したりすることはできません。つまり、自身を複製するための設計図は持っていますが、単独で増殖する能力を持っていないということです。
そのため、増殖するための設備があるヒトや動物の細胞に寄生し、その機構を利用して増殖します。
一方で細菌は、必要に応じて栄養を取り込むことで、そのエネルギーを利用してタンパク質を合成し、二分裂で元の細菌と同じものが2倍、4倍、8倍・・・と増えていきます。
図3. ウイルス・細菌の増殖の概略図
以上をまとめると、ウイルスと細菌の違いは、以下の表のようになります。
ウイルス | 細菌 | |
大きさ | 約20~300 nm | 約1~5 μm |
細胞 | なし | あり |
核酸 | DNAかRNAのどちらか一方しか持たない | DNAとRNAの両方を持つ |
増殖 | ヒトや動物などの細胞に寄生して増える | 自分の力で増える |
細菌とウイルスはともに目に見えないほど小さい、という共通点から、似たもののように思われがちですが、実際は相違点が多くあるということですね。
細菌やウイルスについて少しでも知ってもらえたら幸いです。
【参考文献】
1) | 医療情報科学研究所, 病気がみえる vol.6 免疫・膠原病・感染症 第2版, 株式会社メディックメディア, 2018: 169-272 |
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