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2025.02.19

免疫応答の概要について

こんにちは。
株式会社オルトメディコ 企画課 臨床検査技師の鯉沼です。

今回は、免疫応答についてと免疫応答に関与する代表的な細胞について、紹介したいと思います。
  • 資格
    臨床検査技師
  • 学位
    修士(医科学)
  • 経歴
    ~2024年3月 東北大学大学院 医学系研究科 免疫学分野 修了
    2024年4月~ 営業部 企画課
  • 実績・得意案件
    免疫
  • 趣味
    お馬さんのかけっこを見ること
  • 好きな言葉
    まだ負けていない
  • 連絡先
    planning-department@orthomedico.jp

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この時期流行するインフルエンザや感染性胃腸炎に負けないために、免疫が気になりますよね。
本日は免疫応答についてと免疫応答に関与する代表的な細胞について、簡単にご紹介します。

1.自然免疫1-2)

自然免疫とは、人が生まれながら持っている免疫機構です。体表面で異物の侵入を未然に防ぐ機構 (バリア) と体組織内に侵入した異物を即排除する機構の2段構えで防御が行われます。
バリアの例として、体の表面を覆っている皮膚や粘膜からは多くの抗菌ペプチドが作られています。また、唾液中にはリゾチームを始めとした様々な消化酵素があり、これだけでもかなりの抗菌能力を持っています (図1)。

図1. 体表面の自然免疫 (バリア)

バリアを突破し、体内に侵入した細菌やウイルスはマクロファージや好中球と呼ばれる白血球 (表1) によって食べられます (貪食作用)。これらの白血球は、細胞内に細菌を取り込んだ後、活性酸素、消化酵素、抗菌タンパク質などを用いて殺菌・分解します (図2)。

図2. 体組織内の自然免疫 (細菌)

表1. 好中球とマクロファージの特徴

好中球 マクロファージ
分葉した核 丸い核
特徴 好中球はマクロファージより体内での数が多く、感染の初期に局所にすぐに動員される。高い殺菌能を持っている。 好中球より殺菌能力は劣るが、微生物を分解した後、その分解産物を抗原としてT細胞に提示する抗原提示能力を有している。
また、体内で不要となった細胞や寿命を迎え死んでいく (アポトーシス) 細胞を貪食することにより死細胞を処理する能力も有している。

ウイルスのように、私たちの体内の細胞に侵入して増殖するような敵が侵入した場合はどうでしょうか。
ウイルスに感染した細胞はインターフェロン (IFN) というタンパク質を産生します。このIFNが周囲の細胞に働きかけ、ウイルスの感染を防ぐ役割を果たします (図3)。ウイルスが増殖を始めると急速に増えますが、一定以上に増えないと病気は発症しません。つまり、感染してもウイルスの増殖を抑えることができれば、症状が現れずに済みます。このIFNの生成には、ナチュラルキラー (NK) 細胞やNKT細胞、形質細胞様樹状細胞など、いくつかの重要な細胞群が関与しています (表2)。

図3. 体組織内の自然免疫 (ウイルス)

表2. NK細胞とNKT細胞と形質細胞様樹状細胞の特徴

NK細胞 NKT細胞 形質細胞様樹状細胞
特徴 活性化することで、ウイルス感染細胞を殺傷することができる。活性化されたNK細胞はIFN-γなどのサイトカインを産生し、他の細胞の活性化をはかる。 NK細胞と同様病原体に感染した細胞に対して細胞毒性機能を有するが、NKT細胞はT細胞の表現型も示す。 自然免疫と獲得免疫を連関させる抗原提示細胞。貪食能を持ち、ウイルス感知後に多量のIFNを産生する。

2.獲得免疫1-2)

自然免疫系で処理できなかった場合、獲得免疫系で処理を行います。
獲得免疫系の特徴は、TならびにB細胞 (表3) が体内に侵入した細菌やウイルス (抗原) を特異的に認識することで、病原体を選択的に排除することです。

1つのB細胞やT細胞は特定の抗原受容体を持っており、病原体が侵入するとその抗原に対応する受容体を持つ細胞が選ばれて反応します。その後、選ばれた細胞は自己増殖することで十分な反応を引き起こせるようになります。そして、エフェクター細胞に分化し、病原体の処理を担当します。処理が終わると、多くの細胞は死滅しますが、一部はメモリー細胞 (記憶細胞) として残ります。この残存した細胞は十分に数が増えており、機能的にも成熟しているため、同じ病原体が再度侵入した場合には迅速に大量の細胞が反応し、即座に相手を処理することができます (図4)。

図4. 獲得免疫の特徴

表3. 獲得免疫を担う代表的な細胞

T細胞 B細胞
特徴 多彩な機能を持ち、獲得免疫の中心的な役割を果たす。大別すると、他細胞を補助するヘルパーT細胞と細胞傷害作用を持つキラーT細胞に分かれる。 抗体産生を担うリンパ球。産生された抗体は、抗原を認識し、好中球の食菌作用を促進したり、毒性を中和したり、といった重要な作用を担う。

私たちの周囲には目には見えないおびただしい数の感染性微生物が存在しています。
様々な免疫細胞がこれらの脅威から守ってくれている、ということですね。

【参考文献】
1) 医療情報科学研究所, 病気がみえる vol.6 免疫・膠原病・感染症 第2版, 株式会社メディックメディア, 2018: 10-25
2) 宿前利郎・大野尚仁, 免疫学概説 第3版, 廣川書店, 2010: 6-47

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株式会社オルトメディコ
営業部 企画課
臨床検査技師 鯉沼 佳太

〒112-0002 
東京都文京区小石川1丁目4番1号
住友不動産後楽園ビル2階
TEL: 03-3818-0610
E-Mail: planning-department@orthomedico.jp

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