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2025.02.27

SPIRIT・CONSORT2024 / サンプルサイズ

【SPIRIT・CONSORT2024 特集】

こんにちは。
株式会社オルトメディコ 統計解析課の柿沼です。

SPIRITとCONSORTがアップデートされますね。
オルトメディコで予習しましょう。
  • 学位
    修士 (工学)
  • 経歴
    ~2014年3月 日本大学大学院 理工学研究科 物質応用化学専攻 修了
    2014年4月~ 研究開発部 統計解析課
  • 役職
    課長
  • 実績・得意案件
    シミュレーション
  • 趣味
    旅行
  • 好きな言葉
    無知の知
  • 連絡先
    planning-department@orthomedico.jp

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1 はじめに

皆様、こんにちは。

私たちの【SPIRIT・CONSORT2024 特集】は楽しんでいただけているでしょうか?
↓前回の配信内容は、こちらよりご覧いただけます↓

今回も、Tunn Rらが公表した論文「Methods used to develop the SPIRIT 2024 and CONSORT 2024 Statements」について紹介させていただきます!

2 本日の内容

今回は、サンプルサイズに着目していきましょう。

サンプルサイズの記述はとても重要ですよね。
これがないとそもそも臨床試験の価値が薄れてしまいますからね。

サンプルサイズの修正案は以下の通りです。

Item No Checklist item
7a
【従来】
How sample size was determined
7a
【修正案】
How sample size was determined, including clinical and statistical assumptions supporting the sample size calculation

この項目はDelphi surveyのRound 1の時点で92.6%でした。
この項目が修正されるのは、ほぼ確実じゃないでしょうか?

この修正は、SPIRITの項目14との整合性をとるために提案されており、必要なサンプルサイズの具体的な根拠を示すことが求められております。

従来のCONSORTでは、「どのようにサンプルサイズが決定されたか」についてのみ言及していましたが、提案された修正案では、単にサンプルサイズの計算方法を述べるだけではなく、臨床的に適切な症例数であるかを示すことが求められるようです。

統計検定は、サンプルサイズが大きいほど有意差を検出しやすくなります。
(小さい差でも有意差がつくということです。)

この項目で求められていることは、「ただ単に有意水準をこえているかどうかだけで効果を判断するのではなく、計画段階から臨床的に意味のある例数で試験を実施しましょう」ということでした。

「臨床的に意味のある」ってどういうことだと思いますか?

例えば、

体脂肪率に有意差はあったが、プラセボと比較して1%の差だった

この結果から、効果があったと判断できますか?
私は医師でないので、何も言えませんが、一消費者として疑問を感じます。

これが、「臨床的に意味があるかないか」ということです。
「臨床的に意味のある差」を見つけるには、医師をはじめとする多くの専門家の関与が必要です。臨床試験を始める前には、曖昧にせず、この問題に向き合っていきましょう。

サンプルサイズの書き方や考え方は、Cook JA, et al (2018) が公表したDELTA2にまとめられているので、これは要チェックですよ。

DELTA2を理解できていれば、間違いありません。

サンプルサイズに関しては私たちも過去に資料を用意したので、そちらも見てみてください。
↓↓↓

3 まとめ

今日は新しいサンプルサイズの項目を紹介しました。
SPIRITに対応できていれば問題ありませんが、DELTA2など主要なガイドラインもチェックしておきましょう。

臨床試験の情報は非常に早いので、専門家でないと情報に追いつくことは難しいかもしれません。

でも、みなさまの傍にはオルトメディコがいます。
なので、安心して臨床試験に取り組んでください。

今日のお話で疑問点があれば、いつでも質問してください。
なんでも回答します。営業マンも付けますね。:)

4 参考文献

Tunn R, Boutron I, Chan AW, Collins GS, Hróbjartsson A, Moher D, Schulz KF, de Beyer JA, Hansen Nejstgaard C, Østengaard L, Hopewell S. Methods used to develop the SPIRIT 2024 and CONSORT 2024 Statements. J Clin Epidemiol. 2024; 169: 111309. (PMID: 38428538)
Schulz KF, Altman DG, Moher D; CONSORT Group. CONSORT 2010 statement: updated guidelines for reporting parallel group randomised trials. BMJ. 2010; 340: c332. (PMID: 20332509)
Chan AW, Tetzlaff JM, Altman DG, Laupacis A, Gøtzsche PC, Krleža-Jerić K, Hróbjartsson A, Mann H, Dickersin K, Berlin JA, Doré CJ, Parulekar WR, Summerskill WS, Groves T, Schulz KF, Sox HC, Rockhold FW, Rennie D, Moher D. SPIRIT 2013 statement: defining standard protocol items for clinical trials. Ann Intern Med. 2013; 158(3): 200-7. (PMID: 23295957)
Chan AW, Tetzlaff JM, Gøtzsche PC, Altman DG, Mann H, Berlin JA, Dickersin K, Hróbjartsson A, Schulz KF, Parulekar WR, Krleza-Jeric K, Laupacis A, Moher D. SPIRIT 2013 explanation and elaboration: guidance for protocols of clinical trials. BMJ. 2013; 346: e7586. (PMID: 23303884)
Cook JA, Julious SA, Sones W, Hampson LV, Hewitt C, Berlin JA, Ashby D, Emsley R, Fergusson DA, Walters SJ, Wilson ECF, Maclennan G, Stallard N, Rothwell JC, Bland M, Brown L, Ramsay CR, Cook A, Armstrong D, Altman D, Vale LD. DELTA2 guidance on choosing the target difference and undertaking and reporting the sample size calculation for a randomised controlled trial. Trials. 2018; 19 (1): 606. (PMID: 30400926)

株式会社オルトメディコ
研究開発部 統計解析課
柿沼 俊光

〒112-0002 
東京都文京区小石川1丁目4番1号
住友不動産後楽園ビル2階
TEL: 03-3818-0610
E-Mail: planning-department@orthomedico.jp

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