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2025.04.03
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1 はじめに
花粉が気になる季節が続いていますね。
この時期、「鼻目のアレルギー反応」に関するヒト試験を計画されている方も多いのではないでしょうか?
「鼻目のアレルギー反応」に関する試験方法は、機能性表示食品の届出等に関するマニュアルの別紙2にて軽症者を含めたデータの取扱いが公表されています。
しかし、マニュアルには曖昧な表現が多く、注意すべき重要な点が隠れています。
今回は、マニュアルの注意点に焦点を当て、特に「健常者と軽症者の割合」に関する要件について解説します。
2 「鼻目のアレルギー反応関係」の注意点
マニュアルで特に注意すべき点は次の通りです。
(4) 対象被験者
健常者又は健常者及び軽症者を対象とする。
健常者: 鼻目のアレルギー反応を有し (過去に有していた者を含む。)、かつ、試験前及び試験期間中にアレルギー治療薬を摂取していない者
軽症者: 鼻目のアレルギー反応を有し (過去に有していた者を含む。)、かつ、試験前及び試験期間中にアレルギー治療薬を時々摂取している (常用していない) 者
(5) 機能性の確認方法
健常者又は健常者と軽症者全体で機能を確認し、その際の有意水準は5%とする。ただし、健常者と軽症者全体で機能を確認する場合は、被験者におおむね半数以上の健常者が含まれることを条件とする。なお、健常者の割合が不明な場合は、評価指標の数値等から健常者がおおむね半数以上と推測できる適切な理由が必要である。
この黄色くハイライトした部分・・・
健常者と軽症者を混在させた場合に健常者を半数以上含める
(健常者と軽症者の定義は (4) 対象被験者に記載されていますね)
という箇所です。
下線を引いた、「健常者又は健常者と軽症者全体で機能を確認し・・・」も気になりますが、今回は触れません。
ここで重要なことは、「健常者と軽症者が対象」であることと「被験者に半数以上の健常者が含まれる」ことです。具体的な比率を書いてほしいところですが、解析データセットの50%以上が健常者である必要がありそうです。
もし、単純ランダム化やブロックランダム化を用いて介入群とプラセボ群へ割り付けた場合、健常者と軽症者の割合が偏るリスクがあり、上記の「被験者に半数以上の健常者が含まれる」という条件を満たせない可能性が大いにあります。
この問題を解決するためにはどうすれば良いのでしょうか?
それは・・・
層別ブロックランダム化を採用することです。
層別ランダム化は、予後因子や対象特性以外の重要な因子 (例えば施設など) で層が構築され、各層内で個別にランダム化スキームが実行される状況を指します。たとえば、年齢と性別の2つの予後変数がある場合、「40歳以上男性」、「40歳未満男性」、「40歳以上女性」、「40歳未満女性」のように4つの層を構築することができます。
性別は、男性と女性の2択ですが、年齢は40代、50代、60代のようにカテゴリ化できます。
ちなみにこのように層別ランダム化に用いる因子を層別因子といいます。
例えば、以下の3つの層別因子を採用する場合ですが、
年齢 (40代、50代、60代)
性別 (男性、女性)
LDL-C (120-129 mg/dL、130-139 mg/dL)
層の数は 3 × 2 × 2 = 12層 となります。
ブロックサイズが4とすると48例が最低症例数になります。
また、層ごとに症例数を決めるため、層の数が多すぎると達成できない層がでてくる恐れがあるので、層の数は慎重に決めましょう。
つまり、健常者と軽症者のバランスを調整するには
症状の有無 (健常者、軽症者)
のように最低1つの層別因子が必要です。
この場合は2層なので
健常者 n = 50
軽症者 n = 50
のような形で設計します。
しかし、マニュアルの文章をみると
「被験者に半数以上の健常者が含まれる」
と書かれていますよね。
ヒト試験は常に脱落との戦いです。
そのため、目標症例数が100例の時は
健常者 n = 60
軽症者 n = 40
のように健常者の枠を増やしておくと参加者の脱落があっても安全ですね。
このように健常者と軽症者を組み入れる試験では、
層別ブロックランダム化が適していることがわかります。
層別ブロックランダム化は静的割付という方法の1つですが、
動的割付の最小化法を用いても健常者と軽症者のバランスを調整できます。
最小化法は、それまでに割り付けられた症例の共変量 (割付調整因子と呼ばれる) の群間不均衡の程度を指標として、次の症例の割付確率を決める方法です。この操作により、予後因子などの分布の不均衡を防ぐことができます。性別を割付調整因子とした場合の例 (biased coin method) を以下の図に示してみます。
この方法でも健常者と軽症者のバランスを調整できることがわかりますね。
ただ、登録ごとに非決定論的なアルゴリズムにより割付を行うので、介入とプラセボが完全に同数とならない場合もあります (51例と49例のような)。
最小化法はより多くの因子を考慮できる方法ですが、完全に同数でないといやだという方は層別ブロックランダム化を採用したほうが良いかもしれません。
「鼻目のアレルギー反応」を検証するヒト試験のように健常者と軽症者が混在した試験は、
今回紹介したランダム化方法で対応できることがわかりますね。
また、「静的割付は参加者を一斉に割付、動的割付は参加者が登録されるたび割付」のような情報がなぜか広まっているようですが、多施設試験でない限り試験参加者ごとの割り付けです。
変な情報にはまどわされないようにしましょう。
ランダム化の方法は、情報があまりなく
実務的に難しい場合が多いです。
そんなときは、オルトメディコに相談してください。
第三者機関として、ランダム化や二重盲検のお手伝いが可能です。
3 まとめ
「鼻目のアレルギー反応関係」のヒト試験のように健常者と軽症者を組み入れる場合は、層別ランダム化などの手法を用いる必要があります。
適切なランダム化を行うことは、群間のバランスを確保し、試験結果の信頼性を向上につながります。つまり、統計的な検出力が向上し、より明確な結論が出せるということです。
これから「鼻目のアレルギー反応関係」のヒト試験を行いたいという方は、
オルトメディコで決まりですね!
問い合わせお待ちしています。
4 参考文献
● | Schulz KF, Altman DG, Moher D; CONSORT Group. CONSORT 2010 statement: updated guidelines for reporting parallel group randomised trials. BMJ. 2010; 340: c332. (PMID: 20332509) |
● | 消費者庁. 機能性表示食品の届出等に関する手引き (令和7年3月25 日 (消食表第273号))(2025年3月27日アクセス可能: https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/notice/assets/food_labeling_cms205_250325_02.pdf) |
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