オルトメディコスタッフの日々
スタッフブログ
2023.01.17
近年、医療費の増大に伴い、セルフメディケーションの実践が推奨され、この実践の1つとして、健康維持のため適切なサプリメントや健康食品を利用することがあげられます。この健康食品を用いたセルフメディケーションを実践するために、一般消費者が判断する指標として、「特定保健用食品制度」や「保険機能食品制度」、「機能性表示食品制度」が導入されてきました。本コラムでは、機能性表示食品の変遷と新規の食品の有効性 (機能性) の届出を見出す方法を紹介します。
皆様は普段どのようなことに気を付けて食事していますでしょうか。味や安さ、ボリュームなど人によっていろいろあると思います。人によっては「健康第一」や「安心安全」で健康食品を普段から買うようにしている人もいるかと思います。今回は食品の安全性について記載していこうと思います。
皆様は食品と聞いて、どのような印象を持っていますでしょうか。「実際に販売されている食品だから安全でしょ」や、「食品のパッケージに、健康や天然、自然と言う言葉がついているから大丈夫」と考えている方が多いのではないでしょうか。しかし、食品のすべてが安全というわけではありません。いかにも健康に良く、安全性が高いと思われている「健康食品」でも、「絶対に安全」というわけではありません。実際に有害報告がされているものや、死亡事例があったりなどしています。下記の表はその一例です。
引用:「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」より
では、なぜ健康被害が起きているのでしょうか。
健康食品で起きている健康被害理由についてはいくつか存在します。
最初の理由は「品質」です。企業というものは、製品などの売買によって利益を上げ、販売製品を用いて社会貢献している団体です。そのため、「利益を上げること」と「社会貢献すること」はどちらも同じぐらい重要になると思います。なので、企業が製品を販売するということは、利益と社会貢献の2つを同時に行っていることだと考えられます。
製品を販売する場合、企業の利益と製品の品質のバランスがとても重要になります。製品の価格が一定と考えた場合、企業の利益を優先すれば製品の品質は下がります。この場合、健康被害が発生したり、消費者からの信頼低下につながります。また製品の品質を優先すれば企業の利益が下がります。そのため、利益と品質のバランスは企業にとってとても重要で、バランスが崩れてしまうと健康被害が発生してしまう要因になると考えられます。
次に「偽装表示」です。これは人体に有害な物質を「故意に入れた」というわけではありません。健康食品には効能効果を謳って販売している物が数多くありますが、医薬品とは明確に区別されています。「偽装表示」と言うのは、販売している健康食品に使用されている効能効果に関与している成分が健康食品では使用不可な医薬品の成分であったり、サプリメントなどを成型する際に使用される成分が人体に対して有害で、成型段階で混入してしまうといったことです。そのため製品の製造まで意識して行う必要があります。
次に「適切でない利用」です。皆様は「~を抑える」と記載がある健康食品を使用していますでしょうか。消費者からしてみれば、「パッケージに記載があるし、多く摂取すれば効果がある」という感覚だと思いますが、健康食品にも用法容量がありますし、健康食品はあくまでも「健康の維持増進」を目的とした食品で、治療効果を目的とした食品ではありません。そのため、治療目的で摂取する、過剰に摂取するなどの適切でない利用は健康被害のリスクを増加させる要因になります。
また、利用者の体質による場合もあります。人によって好き嫌いがあるように、食品も体に合う、合わないというものがあります。自分が知らなかったアレルギー反応が発生する場合もあります。健康食品にも対象者の記載はあると思いますので、確認してからご利用ください。
最後に「医薬品や他の健康食品との相互作用」です。既に摂取している医薬品との相互作用で医薬品の副作用が増強されたり、主作用が減弱されたりする場合があります。医薬品と同時に服用する場合は医師に確認してからの方が良いと思います。
上記に記載した理由以外にも、様々な理由があります。
現在、様々なところで健康食品の安全性向上に向けた動きがあります。例えば日本医師会では2006年度から健康被害の把握とその情報提供を目的として、「食品安全に関する情報システム」というモデル事業を実施しています。この事業は、診療の現場から健康食品などの健康被害の情報を提供してもらい、検討を行い、その結果を診療現場にフィードバックして診療に役立ててもらう仕組みになります。実際に、患者がどのように健康食品を使用しているのかということも認知することが出来てきており、さらに広がっていければ良いと思います。
引用:「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」より
厚生労働省も日本医師会と同様に、取り組みを行っています。厚生労働省では、異なる情報源の事例を統合・分析しており摂取した食品と発生した健康被害の因果関係を判断するアルゴリズムを作成しています。
具体例は厚生労働省の健康被害情報をご確認ください。 (リンクはこちら)
日本医師会や厚生労働省以外にも様々な団体が安全性向上のための情報共有に努めています。下記の表はその一例になります。
引用:「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」より
本章では、製品を販売する企業側の視点で安全性について記載しようと思います。
国や医師会など多くの団体が製品の安全性について調査し対策をしています。製品を製造・販売する企業としても製品の安全性について蔑ろにできないと思います。安全性を蔑ろにした場合、国や医師会などの団体、敷いては製品を購入する消費者の信頼を失うことになります。消費者の視点になって考えてみた場合、新聞やニュースなどの情報サイトで安全性ではないと報道された商品を買わないと思います。ましてはツイッターやインスタグラムなどのSNSが発達している現代では、すぐに情報が拡散されてしまい、企業への信頼が低下すると考えられます。よって、企業側の視点で考えたとしても、消費者の安全および信頼性向上のために安全性の確保が重要になってくると思います。
製品での安全性評価については、明確な定義があるわけではありません。よって、どの程度検証すればよいのかという線引きが難しいのが現状です。その中でも厚生労働省が認定している特定保健用食品のガイドラインで、定められている安全性条件があります。それは4週間の過剰摂取試験と12週間の長期摂取試験です。試験概要は下記の表をご覧ください。
設定 | 内容 |
---|---|
1日摂取目安量 | 通常量の3~5倍 |
摂取期間 | 4週間 |
検査時期 | 2週間毎に検査 |
設定 | 内容 |
---|---|
1日摂取目安量 | 通常量 |
摂取期間 | 12週間 |
検査時期 | 4週間毎に検査 |
弊社オルトメディコは食品CROとして創業以来、製品の有効性や安全性を評価するサポートを行ってきました。試験のご相談から、計画書の作成、試験運営、試験終了後の解析などすべての業務でサポート可能です。また部分的なサポートも可能ですので、ご気軽にご連絡ください。
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