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新規試験デザインの紹介
~男性機能の維持・低下抑制~

生物学的な男性としての特徴付けに関わるホルモンとして、テストステロンが知られています。男性の性腺機能低下症ガイドライン20221)によると、テストステロンは男性生殖器の発達を促すほか、性欲の維持や射精、勃起作用に関わり、中枢神経系では男性における攻撃性維持などにも関与すると言われています。また、同化作用にも関連しており、筋肉量の増加作用、窒素の保持増加作用を示し、空間認知記憶への関連も示唆されています。このように、テストステロンは生物学的な性別の特徴付けから、身体活動、認知機能など、幅広く生命活動に関わるホルモンでありますが、このテストステロンは加齢とともに低下することが知られ、テストステロン量が減少することで、勃起不全や性欲低下、活動性の低下、倦怠感、過剰な苛立ち、記憶力低下、ホットフラッシュなどの症状が現れます。これら症状は40歳以降に確認され始めることから、女性更年期の対比として男性更年期障害とも呼ばれています。
テストステロンの低下はメタボリックシンドロームの発症に関わる可能性があり、テストステロンの低下抑制に寄与する食品成分は、国民の健康維持増進をもたらすものと考えます。
そこで、本稿では、男性機能への影響を評価する試験デザインの一例をご紹介いたします。

  • 1) 一般社団法人日本内分泌学会, 日内分泌会誌. 2022;98:1–142.

UMIN-CTRを用いた調査結果

UMIN Clinical Trials Registry (UMIN-CTR) は、臨床試験の登録システムであり、臨床試験の透明性を担保する役割を担っています。そのため、機能性表示食品の届出を目的とした臨床試験は、UMIN-CTRのような登録システムへの登録することが望ましいです。つまり、UMIN-CTRに登録された臨床試験を分析することで、市場の動向や試験の実施可能性など様々な情報を得ることができます。

健常者を対象としたヒト臨床試験 (ヒト試験) の実施数

調査対象である23件の男性機能関連試験のうち健常者を対象とした試験は14件 (61%)、疾病者を対象とした試験は9件 (39%) でした。半数以上が健常者を対象として実施されていました。

採用された試験デザインの要約

抽出した試験においてどのようなデザインが採用されているか調査しました。試験デザインは、健常者を対象とした場合と疾病者を対象とした場合にわけて集計し、下表に要約しました。その結果、二重盲検・ランダム化・並行群間比較デザインが最も多く、目標症例数が100例以上の試験も公開されていました。

<試験デザイン>

<症例数>

詳細の集計結果はPDFをご覧ください。

集計結果詳細PDF

採用された主要アウトカム一覧

抽出した試験においてどのような主要アウトカムが採用されているか調査しました。調査対象の試験の主要アウトカムを下に一覧表で示しました。

UMINID 分類 主要アウトカム
C000000240 疾病者 GTEによる治療開始後、再燃までの期間
C000000446 疾病者 ・大豆イソフラボン1日60mg経口摂取の完遂率。 ・血清テストステロン、血清DHT、血清SHBG (sex hormone binding protein)、血清エストラジオール、血清PSA[遊離PSAおよび総PSA]の摂取前後での比較。
UMIN000015103 疾病者 IIEFスコア、AMSスコア
UMIN000015480 疾病者 IIEFスコア、AMSスコア
UMIN000015931 疾病者 IIEFスコア、AMSスコア
UMIN000016050 疾病者 勃起能 (IIEF、EHS)
UMIN000023451 疾病者 PSA 奏効率
UMIN000025127 健常者 International Index of Erectile Function (IIEF) 日本語版
UMIN000022523 健常者 4週間後のplasma dihydroteststerone concentration
UMIN000028695 疾病者 勃起機能質問紙を用いた評価
UMIN000028816 疾病者 性機能質問紙を用いた評価
UMIN000031487 健常者 試験開始時と摂取2週後と摂取4週後の精液中亜鉛濃度
UMIN000037923 健常者 [1]活力・活気関連評価(加齢男性症状調査表[AMSスコア:aging male symptoms]、男性勃起機能スコア[IIEF]、POMS2(R)日本語版)(摂取前、摂取4週後、摂取8週後)
UMIN000034277 健常者 テストステロン
UMIN000038786 健常者 テストステロン値、AMSスコア
UMIN000041026 健常者 試験食品摂取前後における ・精液所見 (精液量・精液濃度、精子運動率)・精液中成分 (クレアチン濃度、8-OHdG濃度)
UMIN000039302 健常者 IIEF15
UMIN000045429 健常者 精液量、精子濃度、精子運動率
UMIN000040728 健常者 男性活力検査
UMIN000046733 健常者 精液量、精子濃度、採精時および採精6時間後の精子運動率
UMIN000046830 健常者 [1]活力・活気関連評価 (加齢男性症状調査表[AMSスコア:aging male symptoms])(摂取前、摂取4週後[自宅調査]、摂取8週後)
UMIN000048948 健常者 活力・活気関連評価 (加齢男性症状調査表[AMSスコア:aging male symptoms] (摂取前、自宅調査、摂取8週後)
UMIN000049691 健常者 精液量、精子濃度、精子運動率

オルトメディコが提案する試験デザイン

オルトメディコがおすすめする「男性機能」に関連したアウトカムを設定する場合の試験デザインを紹介します。是非、みなさまの研究開発のお役立てください。

試験概要

項目 内容
試験デザイン 並行群間比較試験
ランダム化
盲検 二重盲検
介入期間 84日間 (12週間)
来院回数
(スクリーニング検査含む)
2回 (スクリーニング検査、12週間後来院検査)
実施症例数 56症例
評価項目
※食事調査、日誌、医薬品服薬状況を除く項目は来院検査時に測定します。
  • Aging male’s symptoms (AMS) スコア
  • 陰茎周径 (夜間勃起現象の評価)
  • MOS 36-Item Short-Form Health Survey (SF-36)
【スクリーニング検査時にのみ実施する検査】
  • ベック抑うつ質問票 (BDI2)、Khalfa質問票の邦訳版、身体測定、理学検査、末梢血液検査、尿検査
【その他】
  • 食事調査 (来院検査前3日間を記録)、日誌 (毎日記録)、医薬品服薬状況 (医薬品を服薬した際に記録)、問診

価格例のページにて、評価指標の概要や試験スケジュール、見積書を公開しておりますので、ご覧ください。

価格例ページ

オルトメディコは、モニター運営、ヒト臨床試験 (ヒト試験)、統計解析、論文作成、 機能性表示食品の届出まで一貫して行うことが可能です。

各分野のプロフェッショナルが皆様の
試験を成功に導きます。

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データセットの概要

データソース: UMIN-CTR
データ取得日: 2023年3月27日
抽出手順:
  • ① 2023年3月27日時点で介入の種類が「食品」である全てのデータを抽出
  • ② ①から一般公開日が2022年12月31日以前の全てのデータを抽出
  • ③ 2022年3月1日に公開された「UMIN000046902」を除外
  • ④ データクリーニング
  • ⑤ 男性機能に分類された試験を抽出
クリーニング:
  • ① 主要アウトカムをオルトメディコ独自の分類法に従い42種類に分類 (※)
  • ② 「対象疾患名」、「疾患区分」のデータから「健常者」と「疾病者」に分類

※分類の定義の詳細は、オルトメディコまでお問い合わせください。

解析レコード数: 4598試験 ⇒ 4597試験 ⇒ 23試験

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